このサイトについて

このサイトは、一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区、以下「日本気象協会」)が防災・減災への取り組みの一環として2011年から行っている「微気圧振動の観測結果を活用した津波の早期検知に関する研究」において、試験的に観測を実施している微気圧振動データの公開サイトです。

また、微気圧振動研究に携わる研究機関のご協力の下、地域の津波防災の取り組みへの貢献を目的として、当該研究機関の観測データもこのサイトにて公開させていただいております。

更に、日本気象協会では、微気圧振動が津波に対する防災・減災への取り組み以外の目的でも活用できるよう、集中豪雨、竜巻などの極端気象や、土砂災害や雪崩などの自然災害発生監視に向けても研究に取り組んでいます。

【研究背景】

日本気象協会は、公益財団法人日本国際問題研究所からの委託を受け、2002年から包括的核実験禁止条約(CTBT: Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty)に関わる業務を行っています。CTBTでは、地下・大気・水中の核実験を監視するために、地震・微気圧振動・水中音波の観測所を全世界に展開しています。また多くの国では、CTBTの観測データをもとに核実験を監視するためのNDC(National Data Centre)という組織を整備しており、日本では日本気象協会がこのNDCの機能の一部を担っています。日本気象協会では、NDCの機能整備や日本国内の地震と微気圧振動の観測所(地震6か所、微気圧振動1か所)の維持管理、データ解析などを担当しています。

地震などを原因とする津波(海面の隆起・沈降が素早く、広い範囲で生じる現象)が発生したとき、海面に接した大気は圧縮・伸長され、気圧の振動を生み出します。その際に発生する微気圧振動は、その伝達速度が音速とほぼ同じ速度であるため、津波が到達するより早く計測されます。沿岸部に微気圧振動を観測するセンサー(微気圧計)を設置すれば、津波が到達するより前に津波の発生を示唆する兆候や津波の規模を検知することができると期待されています。

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、津波から発生した微気圧振動がCTBTの観測網においても観測されました。このことをきっかけに、日本気象協会では微気圧振動を観測することで津波を事前に検知するための研究を開始しました。

津波の観測に使われている観測機器の多くは、海上や海底に設置されるもので、観測場所の津波を直接測れるという利点がある一方で、地震や津波の直接的な被害を受けることがあります。日本気象協会が行っている微気圧振動観測は、津波が発生した海域から離れた場所(陸上)で行うため、海上や海底の観測手法に比べて設置が容易であり、津波によって破壊される危険性を回避することも可能です。